くせ毛のドライヤー、乾かし方ひとつで朝が変わります
くせ毛・うねり / サロンの実例から
「家で乾かすと、どうしてもお店みたいにならないんです」
くせ毛のお客様から、本当によく聞く言葉です。僕のお店でも、カットや縮毛矯正のあとによくお伝えしているのが乾かし方なんですよね。
実は、使っているドライヤーを買い替えるよりも先に見直してほしいことがあります。それが乾かす順番と風の当て方です。ここが変わるだけで、翌朝の広がり方がだいぶ違ってきます。
今日は、僕が現場でお伝えしている乾かし方の手順を、順番に書いていきますね。
くせ毛の髪の形は、乾く瞬間に決まります
髪はとても単純な性質を持っていて、濡れている間は形が変えられて、乾いた時点でその形で固定されるんです。
専門的には水素結合と呼ばれるもので、水に濡れると一度ほどけて、乾くとまた結び直されます。難しく聞こえますが、要は「濡れている時が粘土、乾いたら陶器」くらいのイメージで大丈夫です。
つまり、くせが出た状態のまま乾かせば、くせが出た形で固まります。逆に、根元を立ち上げて伸ばしながら乾かせば、その形で落ち着きやすくなります。
ここが一番大事なところで、スタイリング剤よりも、乾かし方のほうが影響が大きいと僕は思っています。
自然乾燥がおすすめできない理由
「ドライヤーの熱が傷みそうだから自然乾燥にしています」という方、けっこう多いです。気持ちはすごく分かります。
ただ、くせ毛の方に関してはあまりおすすめしていません。理由は2つあります。
- 髪が濡れている時間が長いほど、キューティクル(髪の表面のうろこ状の層)が開いたままで、摩擦に弱い状態が続く
- 自然に乾くと、くせが出やすい形のまま固定されてしまう
頭皮が濡れたままの時間が長いのも、においやかゆみにつながることがあります。乾かすなら、お風呂上がりからあまり時間を空けずに始めるほうがいいですね。
タオルドライで、乾かす時間の半分が決まります
ドライヤーを持つ前の段階です。ここを丁寧にやると、そのあとが本当にラクになります。
やり方はシンプルで、タオルで挟んで押さえるだけ。ゴシゴシこすらないでください。濡れた髪は摩擦に弱いので、こすると表面が毛羽立って、乾いたときのパサつきにつながります。
順番としては、
- まず頭皮をタオル越しに指の腹でもみこむように水気を取る
- 次に毛先を、タオルで挟んでポンポンと押さえる
- 最後に全体をタオルで包んで、30秒ほど置く
ここまでやると、ドライヤーの時間がだいぶ短くなります。熱に当たる時間が減るので、髪への負担を抑えることにもつながりますよ。
このタイミングで洗い流さないトリートメントをつける方は、毛先中心に、根元にはつけないようにしてくださいね。根元につくとボリュームが出にくくなります。
乾かす順番は「根元 → 中間 → 毛先」
ここが本題です。くせ毛の方ほど、この順番を守ってほしいんです。
1. 根元を最初に、8割まで
まず根元だけを集中して乾かします。毛先は後回しで大丈夫です。
指を頭皮に入れて、髪をかき分けながら左右に振って風を当てます。同じところにじっと当て続けないのがコツですね。
このとき、根元を立ち上げる方向に引っ張りながら乾かすと、ぺたんとしにくくなります。分け目がくっきりつくのが気になる方は、分け目とは逆方向に倒しながら乾かしてみてください。
根元が乾いていないのに毛先ばかり乾かすと、毛先は乾きすぎ、根元は湿ったまま、という一番よくない状態になります。あとから根元を乾かそうとして、結局毛先にも熱が当たり続けますからね。
2. 中間から毛先は、上から下へ風を当てる
根元が8割ほど乾いたら、中間と毛先にうつります。
ポイントは風の向きです。髪の上のほうから下に向けて、毛流れに沿って当ててください。下から風を当てると、キューティクルが逆立って、表面がざらつきやすくなります。
くせでうねる方は、手で軽く下に引っ張りながら風を当てると、まっすぐに近い形で固まりやすいです。強く引っ張る必要はありません。軽く伸ばすくらいで十分です。
このとき、ドライヤーは髪から15〜20cmくらい離すのが目安。近づけすぎると一点に熱が集中してしまいます。
3. 最後に冷風を、20〜30秒
仕上げに冷風です。これ、面倒で飛ばされがちなんですが、やる価値があります。
髪は冷えるときに形が決まるので、温風で整えた形を冷風で固定するイメージですね。上から下に向けて全体に20〜30秒ほど当ててみてください。
手ぐしを通しながら冷ますと、手触りも整いやすくなります。翌朝のまとまり方に差が出やすいところです。
それでもまとまらないときに見直すこと
順番通りにやっても、どうしても落ち着かない日はあります。そういうときに僕がチェックしていることを挙げますね。
乾かし残しがないか。 特に耳の後ろ、えり足、後頭部の内側。ここが湿ったままだと、時間差でうねって出てきます。乾いたと思ってから、もう30秒だけ全体に風を通してみてください。
乾かしすぎていないか。 逆に、カラカラになるまで当て続けるとパサついて広がります。「しっとり感が少し残る手前」でやめるくらいがちょうどいいです。
寝ている間につぶれていないか。 せっかく整えても、湿った枕や強いクセのつく寝方で朝に崩れることもあります。完全に乾かしてから寝るのは、この意味でも大事ですね。
そもそも、くせの度合いが乾かし方で対応できる範囲を超えていないか。 これも正直あります。うねりが強い方や、量が多くて膨らむ方は、乾かし方だけで解決しようとすると毎朝かなりの時間がかかってしまいます。
その場合は、縮毛矯正や髪質改善のような施術で土台を整えたほうが、結果的にラクになることが多いです。どこまで自宅ケアで粘って、どこから施術に頼るか。ニコリトでもこのご相談はよくいただくので、迷っていたらカウンセリングのときに気軽に聞いてくださいね。
まとめ
最後に、今日の内容を短くまとめます。
- 髪は乾く瞬間に形が決まるので、乾かし方がそのまま翌朝の状態になる
- タオルドライは押さえるだけ。こすらない
- 根元を先に8割まで、それから中間・毛先へ
- 風は上から下に。最後に冷風で形を固定する
- 乾かし残しと乾かしすぎ、どちらも広がる原因になる
全部いっぺんにやろうとすると大変なので、まずは根元から乾かすことだけ意識してみてください。それだけでも変化を感じやすいはずです。
くせの出方は本当に人それぞれで、同じ方法が全員に合うわけではありません。自分の髪だとどこでつまずいているのか分からないときは、担当の美容師さんに乾かし方を実演してもらうのが一番早いと思います。遠慮なく聞いてみてくださいね。
このテーマをもう少し詳しく知りたい方は、うねる前髪をどうまとめる?長さに合わせた留め方と流し方のコツとくせ毛で広がる髪を、広がらせない方法も参考にしてください。